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《そもそも栄養とは?》
糖質(炭水化物の一部)・脂質・たんぱく質は3大栄養素と呼ばれ、エネルギー源となったり、体の組織を作る働きがあり、生命維持に必須の栄養素となります。
この中でもたんぱく質はあらゆる体づくりに使われる栄養素です。体を機能的に働かせるためのホルモン、酵素、免疫の材料でもあります。たんぱく質が不足すると、エネルギー利用効率が低下し、体重減少、電解質異常、低血糖、低体温、思考力低下などの症状が出ます。
この3大栄養素に微量元素であるビタミンとミネラルを加えたものを5大栄養素と呼びます。
ビタミンは体の機能を維持する微量栄養素であり、基本的に体内で生合成できません。不足すると3大栄養素を体の組織へ転換できなくなり、身体機能の維持に様々な悪影響をもたらします。
ミネラルは生体を構成する主要な4元素(酸素、炭素、水素、窒素)以外の総称で、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、鉄、亜鉛などが代表的です。体内で生合成できず、これらが不足しても様々な悪影響が出てきます。
《災害時の食事と栄養バランスの特徴》
災害発生後の被災生活において、買いだめ、物資の不足、物流の停止・混乱などにより、栄養バランスがとれた食事は困難になります。特にエネルギー摂取が優先され、米類・パン・カップ麺など炭水化物に偏りがちになり、乳製品・肉類・野菜類などいわゆるおかずとなる食品は不足しがちです。
数日であればそれほど問題にはなりませんが、被災生活が4日を超えてくるとビタミンやミネラル、たんぱく質不足が問題となります。被災時もできるだけ日常に近い食事に近づけることが理想ではありますが、災害時はそれが困難である場合が多く、たんぱく質、ビタミン、ミネラルをプロテインやサプリメントで補うことも選択肢の一つとして考えられます。
厚生労働省より、避難所における食事提供の評価・計画のための栄養の参照量が示されています。
目的 | エネルギー・栄養素 | 1歳以上、1人1日当たり |
エネルギー摂取の過不足の回避 | エネルギー | 1,800〜2,200kcal |
栄養素の摂取不足の回避 | たんぱく質 | 55g以上 |
ビタミンB1 | 0.9mg以上 | |
ビタミンB2 | 1.0mg以上 | |
ビタミンC | 80mg以上 |
《たんぱく質とビタミン・ミネラルのローリングストック》
災害時においてたんぱく質やビタミンは、レトルト食品や缶詰などからある程度摂取することができますが、プロテインやサプリメントなど補助できるものがあればさらに安心です。
たんぱく質とビタミン・ミネラルの備えの一例として、我が家では普段から飲んでいる「ネイチャーメイド スーパーマルチビタミン&ミネラル(大塚製薬)」と「SAVAS アスリートウェイトダウン(明治)」をローリングストック法にて備蓄するようにしています。
簡単・最強の備蓄法「ローリングストック」 〜防災を日常生活に取り入れる心構えとしても〜
いずれも常温保存が可能で、賞味期限はサプリメントが2〜3年、プロテインが1年半程度となります。プロテインは飲みやすさも重要となりますので、備えるのであれば日頃から飲み慣れているもの、または試しに飲んでみて許容できるものを選ぶのがおすすめです。
《色々なタンパク質、ビタミン・ミネラルの備え方》
災害時における栄養については、ご自身や家族のライフスタイルに沿って備えるのがおすすめです。
プロテインバー
水に溶かさないと飲めない粉末タイプのプロテインではなく、スイーツとしても食べられるプロテインバーを備えておくという方法もあります。お菓子感覚で食べられ、災害時に心の安らぎを得ることもできます。
野菜ジュースのローリングストック
ビタミンの補助については、普段から飲むのであれば野菜ジュースをローリングストックする方法もあります。ビタミン補充だけでなく、水分摂取にも有効です。
防災向け長期保存用野菜ジュース
「カゴメ 野菜一日これ一本 長期保存用」は、賞味期限5.5年と長期保存が可能です。普段あまり野菜ジュースを飲まないけれど、防災的に長期備蓄したいという方におすすめです。ヘルメットを被っている缶のデザインが秀逸です。
長期保存可能なサプリメント
25年の長期保存可能な備蓄食「サバイバル®︎フーズ」を製造する「株式会社セイエンタプライズ」より、5年保存可能なサプリメント「サバイバルフーズ®︎サプリメント」が販売されています。「マルチビタミン&ミネラル」「ビタミンC」「2種セット」の計3種類があり、普段サプリメントを摂取しない方の長期保存用に向いています。