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《備蓄しているペットボトルの水、賞味期限が切れていませんか?》
防災を考えるとき、食料や飲料水の備蓄は欠かせません。備えの目安としては「最低3日分の備えを」と言われることがありますが、ライフライン停止は最低1週間を見込んでおくべきであり、政府も大規模災害時は1週間の備えを推奨しています。
実際に食料はそれほど備蓄していなくとも、飲料水だけはしっかり備蓄しているという方は多いかと思います。ちなみに飲料水の備蓄の目安は、1人あたり1日おおよそ3Lとされており、防災用にダンボールで箱買いしてあるという家庭もあることでしょう。しかし、いつだったか以前、水を買い溜めしておいたけれど久しぶりに確認してみたら賞味期限が切れていた、ということもあるかもしれません。
賞味期限が切れると勿体無い気持ちになりますが、だからといってそのまま飲まずに捨てたり、植物の水やりに使ってしまうのは、実はさらに勿体無いことであります。
《賞味期限と消費期限について》
賞味期限切れのペットボトルの水が飲めるかどうか考えるためには、まず「賞味期限」について意味を確認しておく必要があります。よく混同されるのが「消費期限」です。「賞味期限」とは、未開封で適切な環境に保管されていた場合に、品質が変わらず美味しく食べられる期限のことです。対して「消費期限」とは、未開封で適切な環境に保管されていた場合に、安全に食べられる期限のことです。
つまり、「賞味期限」は過ぎても味や風味は若干悪化しますが、食べたり飲んだりすることができます。しかし、「消費期限」は過ぎたら安全に食べたり飲んだりできません。
ペットボトルの水に記載されているのは「賞味期限」であり、つまりこの期限が過ぎても、味が若干変化している可能性はありますが、未開封であれば飲むことができる可能性があります。
《ペットボトルの水が賞味期限を過ぎても安全に飲める理由》
もちろん開封後のペットボトルの水は、雑菌が混入し繁殖して胃腸炎などの原因となるため、速やかに消費する必要があるのは言うまでもありません。しかし未開封で適切に保管されていれば、長期にわたって基本的に腐ることはありません。
これはペットボトルの水は、製造過程において加熱やろ過により細菌等が取り除かれているためです。このため未開封で適切に保管してあれば、細菌が繁殖することもなく、賞味期限を過ぎても問題なく飲むことができます。
消費者庁では、「飲料水は、賞味期限を超過しても一律に飲めなくなるものではありません。品質の変化が極めて少ないことから、一部のものについては期限表示(消費期限・賞味期限)の省略も可能」と呼び掛けています。
通常、500mlのペットボトルの水の賞味期限は1年程度に設定されていることが多いです。保存用の水であれば5〜15年と長期のものもあります。
賞味期限が切れた場合、最終的には匂いや味で自己判断し、自己責任で飲むことになりますが、賞味期限を大幅に過ぎても飲める可能性が高いことは覚えておきましょう。
《ペットボトル水に賞味期限がある理由》
ペットボトルのミネラルウォーターに賞味期限が設定されている理由は 2 つあります。
1つ目は、ペッドボトルには目には見えないわずかな通気性があるため、長期保存により中の水が蒸発し内容量が変わってしまうことが理由です。法律(計量法)に則った内容量を維持するために、賞味期限が設定されています。内容量が減っても品質にはほとんど変化がないため、賞味期限が切れてもペットボトルの水は飲めるというわけです。
2つ目は、先述の通りペットボトルにはわずかながら通気性があるため、匂い移りの可能性があるためです。匂いが強い食品などと一緒に保管した場合、長期的にみて水に匂いが移ってしまう可能性があります。その匂い移りを許容できる期限として賞味期限が設定されています。
《水の賞味期限を正しく理解し、物資の限られた災害時には有効活用を》
賞味期限が切れたペットボトルの水をすぐに捨ててしまうことがいかに勿体無いことかお分かりいただけると思います。しかしこの事実が正確に理解されていないために、本当は飲めたであろう飲料水を廃棄してしまったり、生活用水として使用してしまったりという事例が過去にあります。
2016年の熊本地震では大量の飲料水が支援物資として届いたものの、その後使いきれず余った賞味期限切れの飲料水を花壇の水やりや手洗いなどで消費し、それでも消費できない水の活用法を模索するという事態になりました。
2019年9月に発生した台風15号(令和元年房総半島台風)で被災した千葉県においては、市が誤って1年以上賞味期限が過ぎたペットボトルの水を配り、受け取った市民から苦情が出て、それを受けた市が謝罪し、そのことを新聞が報じた例があります。自治体、市民、メディアのいずれも水の賞味期限について正しく理解せず、残念ながら飲料水を有効利用できなかった事例です。
災害時は物資が限られ非常に貴重となるため、無駄なく消費する必要があります。特にペットボトルの水については、賞味期限について正しい理解をし、日頃から意識を持つことが重要です。
《国内最長 15年の長期保存可能な備蓄水「カムイワッカ麗水」》
賞味期限が切れても水は飲める可能性が高いのは分かったけど、それでもなるべく長期間備蓄できる保存水はないか!?と思う方はいらっしゃると思います。
そんな方におすすめなのが、国内最長の15年保存が可能な備蓄水「カムイワッカ麗水」です。
北海道の蝦夷富士(羊蹄山)に積もった雪が地下水となり、長い年月を経て真狩村・泉地区に湧き出した、カムイワッカ(神の水)と語り継がれてきた泉水です。2008年の洞爺湖サミットでG8首脳に提供され、絶賛されています。
水としてはやや高価ですが、15年交換不要であることを考えるとかなり割安です。