非常用持ち出し袋や防災グッズを自宅に備えている方は多いと思いますが、枕元の防災について考えたことはあるでしょうか?夜寝ている時に地震が発生し、さらに停電が発生すると、身動きが取れなくなります。
そんな時に安全を確保してくれるのが、枕元に置いておく防災グッズです。
目次
《枕元に防災グッズがなぜ必要か?》
災害の中でも地震は、日中の外出中、仕事中に発生することもあれば、夜お風呂に入っている時、または就寝中に発生することもあります。当然のことながら、地震は人間の都合に忖度(そんたく)してはくれません。
睡眠時間を6時間とすると、1日の中の1/4程度はベッド上で無防備な状態で過ごすことになります。そのため、枕元の防災はとても重要と言えます。
夜寝ている時に大地震が発生し、さらに停電が発生すると、物やガラスが散乱している中、暗闇となった家の中を移動しなければなりません。
スマートフォンのライトを使おうと思っても、固定していなければ揺れでどこかへ飛んでいき、どこにあるのかわからなくなり、視力が低い人であれば、メガネもどこかに飛んでいってしまいます。
この状態で、暗闇の中、物が散乱した床を歩くと、足や手を怪我する可能性があり、大変危険です。また津波から避難する場合など、速やかな避難開始ができなくなる可能性もあります。
枕元の防災グッズは、怪我を防止し、家族の安否確認を行ったり、非常用持ち出し袋や必要な防災グッズの置き場所などへ辿り着き、場合によっては速やかに避難行動を開始するためのグッズと言えます。
《枕元に備えておきたい防災グッズ》
大きな地震が発生した時に、まず守るべきなのは命です。家具の固定や、配置の工夫を行い、寝ている場所に家具などが倒れてこないような対策が大前提です。
その上で、停電が発生した時にまず第一に確保すべきは視界です。そのために、枕元にはLEDライト(懐中電灯)を備え、視力が低い人はメガネを必ず準備しておきましょう。
物が散乱した家の中を安全に移動するために、厚手のスリッパや軍手またはグローブを準備し、手足を守りましょう。さらに頭を守ることを考えると、折りたたみヘルメットを備えておくのもおすすめです。
万が一、揺れの影響などでドアが開かなくなり、部屋に閉じ込められた場合は助けを呼ぶ手段が必要になります。大声をあげて助けを呼ぶのは体力を消耗するだけなので、救助者の耳に届きやすいホイッスルも準備しておきましょう。
いずれもグッズが入ったケースや袋が、揺れでどこかへ行ってしまわないように、両面テープで固定したり、ベッドとマットの間に挟んだりなど工夫をしておきましょう。
- メガネ
- LEDライト(懐中電灯)
- ホイッスル
- 厚手のスリッパ
- 軍手やグローブ
- グッズを収納するためのケースや袋
- 折りたたみヘルメット(スペース的に可能であれば)
- スマートフォン
※揺れでどこかへ飛んでいかないように、固定するなど工夫しましょう。
《我が家の枕元の例》
我が家の場合、小物ケースを両面テープで固定し、その中にメガネ、LEDライト、蓄光ホイッスル、作業用グローブを入れています。
枕元に備わっているコンセントには、停電時に自動で点灯する非常用ライトを差しており、懐中電灯だけでなく、停電時に自動で明かりを確保できるようにしています。
スタンドライトと時計も両面テープで固定し、スマートフォンは100円ショップの滑り止めマットで、揺れてもどこかへ飛んで行かないようにしています。
またスマートフォンは、日中いつでも十分な電池残量があるように、毎日寝るときに充電するようにしています。
ベッドの脇のスペースには厚手のスリッパと短い木刀を備えています。
木刀は防犯用です。使わないに越したことはありませんが、悪意を持った侵入者から、自分や家族の命を守らなければならない状況では、戦うことも選択肢に入れなくてはなりません。
「護身・防犯」は「防災」である 〜「油断大敵」「逃げるが勝ち」「窮鼠猫を噛む」〜《まとめ|意外と盲点な枕元の防災対策を忘れずに》
就寝中は最も無防備な状態であり、地震など突発的なことが発生すると、パニックになりがちです。
特にご自宅が、ハザードマップで津波被害に遭う可能性がある場所の場合、地震発生から速やかな避難ができるかどうかが生死を分けます。枕元に防災グッズがない場合、真っ暗で物が散乱した家の中で、明かりもなく、非常用持ち出し袋が見つからず、避難の初動が遅れてしまいます。
枕元の防災グッズのほとんどは、100円ショップで簡単に揃えられる内容です。
1日の中でも無防備に長時間過ごしているベッド・布団の枕元に、防災グッズを忘れずに備えておきましょう。