昆虫食という1つの食糧資源 〜やりすぎ?防災シリーズ【「コオロギスナック」&「コオロギプロテインバー」実食 (※注意 一部、昆虫の画像を含みます)】〜

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《近年、昆虫食が注目されている》

近年、将来の世界的な食糧不足の解決策として、昆虫食が注目されています。

2050年には世界人口が100億人になることが予想され、2030年にはたんぱく質の需要と供給のバランスが崩れると予想されています。そのため、食糧としてたんぱく質を確保することが重要な課題となっており、肉食の代替として昆虫食が注目されています。

2013年には国連食糧農業機関(FAO)が、食糧問題の解決策として昆虫食が有用とする報告書を発表しており、2015年に国連サミットでは「貴重なたんぱく質源」として推奨されました(あくまで、昆虫は食糧資源の1つであるという見方です)。

《コオロギがすごい》

食用昆虫は栄養素を効率よく摂取でき、保存性が高く、育てるのに場所をとらず、成長が早いというメリットがあります。雑食のため食品ロス削減にも貢献します。その中でもコオロギは、牛・豚・鶏など家畜と比べて、100gあたりのたんぱく質含有量が3倍近く多くなっています。また飼育にあたり、家畜と比べ水、エサ、温室効果ガス排出量が圧倒的に少なくて済みます。さらに、コオロギは別名「陸のエビ」と言われるほど風味が良好です。

2020年5月には無印良品から「コオロギせんべい」がオンラインショップで販売され、即完売となったことでも話題でした。2021年11月には100円ショップ ダイソーからも「コオロギせんべい」が販売開始となっています(無印良品とは別商品)。ネットショッピングで探せば、主に海外産ではありますが、様々な昆虫食が販売されています。虫の原型そのものの商品から、粉末状に加工し混ぜて原型を留めていないものまで様々です。

《実際にコオロギを使った食品を食べてみました》

遠くない将来、昆虫食が日々の食事の一部になるかもしれない!?ということで、実際にコオロギパウダーを使った「未来コオロギスナックⅡ」と「コオロギプロテインバー」を試食しました。

「未来コオロギスナックⅡ」

見た目:ややコオロギ色のスナック。

味:濃厚なエビ風味。子供も喜んで食べるおいしさ。

「コオロギプロテインバー」

コオロギ感:原型はなく、言われないと分からない。

見た目:ナッツなども含まれているが、一部黒光りする破片?あり

味:コオロギ感、エビ感なし。やや粘度の高い普通のプロテインバー

 

いずれも非常に美味しく食べられました。原産国はタイで、コオロギ自体はパウダー化して練り込まれています。

《昆虫食にはデメリットやリスクもある》

しかし、昆虫食拡大はデメリットやリスクも指摘されています。

・アレルギーを誘因する可能性

・感染症など、公衆衛生上のリスク

・過剰捕獲による特定の昆虫の絶滅

これら、アレルギーを誘引するリスクや、病原体を媒介するリスクについては、まだ検証が不十分であるという指摘があります。また食用コオロギパウダーは、エビやカニなどの甲殻類と類似した成分が含まれており、甲殻類アレルギーを持っている方は摂取を控えるように推奨されています。

《昆虫食の将来に期待したい》

国連が昆虫食を推奨して以降、先進国でも昆虫食が注目されています。

そもそも人類ははるか昔から昆虫を食してきた歴史があり、現在でも約20億人が昆虫を食べています。日本ではイナゴの佃煮やハチノコなどの昆虫が、今でも食べられていることは有名です。しかし、日本を含む多くの先進国では、昆虫は見た目がグロテスクであり、嫌悪感の対象となっています。そういったハードルを越えることができるか、来るべき食糧問題の解決策となり得るか、防災的にはどのように発展・応用されていくか、これからの動向に注目です。