防災に必須な「電池」の備え方 〜備える電池の種類、備える方法、どのくらい備えるか、あると便利なアダプター、液漏れについて〜

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《アルカリ電池の備蓄をしましょう》

電池は最も手軽かつ、必須なエネルギーの備蓄です。

災害時にインフラが停止し停電した場合、明かりの確保や情報収集の手段を考えなくてはなりません。その場合、LEDライト(懐中電灯)やランタン、ラジオなどが必要となり、電池は電源として必要となります。スマートフォンでの情報収集も有用であり、乾電池式のモバイルバッテリーがあればスマートフォンの充電も可能です。

備蓄するならハイパワーで容量が大きく、最も手に入りやすいアルカリ電池がおすすめです。一般的なメーカー物であれば、5〜10年の使用期限があります。

《最上位の電池「パナソニック エボルタネオ」》

パナソニック エボルタネオ(出典:パナソニックホームページ)

より高性能な電池としては「パナソニック エボルタ」シリーズがあります。「エボルタ」シリーズの中でも、「エボルタネオ(EVOLTA NEO)」は、「世界一長もちする単3形アルカリ乾電池」として、ギネス世界記録に2017年10月2日に認定され、2021年10月1日に再認定されているほどです。テレビCMでご存知の方も多いと思います。

大容量かつ使用期限10年と長期保存が可能で、液漏れに強くなっています。

懐中電灯の使用時間を乾電池別に比較すると、「エボルタ」は一般的なアルカリ電池に比べ約20時間長く使用でき、さらに「エボルタネオ」は「エボルタ」に比べ約12時間も長く使用できるため、防災的に最強の電池ということができます。

《備える電池の種類をどうするか》

筆者が備えている電池の一部

備蓄する電池の種類も考える必要があります。1番おすすめなのが、単3、単4電池を中心に備蓄することです。その上で単1、単2電池もある程度備え、必要であればボタン電池など特殊なタイプの電池もストックしておくと良いでしょう。

単3電池は最も汎用性が高いため、LEDライト、ラジオ、乾電池式モバイルバッテリーなどは、購入時になるべく単3電池使用のものに統一しておくのがおすすめです。

しかし災害時に使うもの全てが単3電池とは限りません。とはいえ単1、2電池を十分量備えるのは簡単ではありません。そんな時に有用なのが電池アダプターです。単3電池を単1または単2へ変換できるアダプターや、単4電池を単3電池に変換するアダプターがあります。これは100円ショップで購入することができます。単1〜4電池は1.5V(ボルト)は共通で、違いは電気容量とサイズだけのため、アダプターを使用すれば駆動時間は短くなりますが普通に使用することができます。

筆者が所有している電池アダプター。すべて100均で購入している。

私の場合、単3、単4電池をメインで備蓄し、変換アダプターを多めに備えています。単4電池を使用する機器は意外と多く、単4電池はアダプターを使えば単3電池として使用できますが、単3電池を単4電池として使用することはできません。そのため単4電池も十分量備えておく必要があります。

《電池の備蓄量について》

乾電池の備蓄量については、日本気象協会推進「トクする!防災」がおすすめする備蓄の目安は、5人家族が3日間過ごすための必要最低量として、50本を推奨しています。

電池の備蓄は、消費したら在庫を切らさないように購入する、ローリングストック法で行うのが理想的です。

簡単・最強の備蓄法「ローリングストック」 〜防災を日常生活に取り入れる心構えとしても〜

日々電池をよく消費するなら、使用期限をそれほど気にする必要はありません。電池をあまり消費しないのであれば、使用期限が5年以上の電池がおすすめです。半年〜1年ごとに期限を点検しておくと安心です。

ネットショップでは安くまとめ買いができます。ただし値段の安い電池の口コミをみると、使用期限内にもかかわらず液漏れや破損したなどとレビューがある商品もあるため、やはり有名メーカー製の電池を購入することをおすすめします。

《電池の液漏れや使用期限について》

乾電池は液漏れすることがあり、原因は大きく2通りあります。

1つ目は未使用状態での液漏れで、高温多湿な場所での保管や、落下など外的要因が原因となります。

2つ目は使用中や使用後の液漏れで、過放電、プラスとマイナスの逆挿入、ショートが原因となりますが、最も多いのは過放電によるものです。機器に電池を入れっぱなしにしておくと、使用しなくても微弱な電流が流れて放電することがあり、これが液漏れの原因となります。

過放電された電池は内部で水素ガスが発生します。電池には破裂を防ぐため内部のガスを逃す安全弁が備わっており、大量のガスが発生した時にこの安全弁が作動し、内部のガスが放出されます。その際に電池内部の電解質の液体も一緒に放出されてしまい、これが電池の液漏れとなります。この漏出した電解質が乾燥すると白い結晶となり、我々がよく「電池の液漏れ」と認識する状態になります。

漏れ出た液体や結晶には素手で触れないようにしましょう。アルカリ電池の電解液の主成分は水酸化カリウムです。これは強アルカリ性で強い腐食性があり、直接触れると化学熱傷を起こす可能性があります。もし皮膚に付着した場合、大量の水道水で洗い流す必要があります。

マンガン電池の電解液の主成分は塩化亜鉛です。これは弱酸性で、アルカリ電池程ではないものの腐食性があり、直接触れるのは危険です。もし皮膚に付着した場合、大量の水道水で洗い流す必要があります。

乾電池には使用推奨期限があり、その期間内に使用すれば日本産業規格(JIS規格)に規定される性能を発揮できます。未使用の状態でも自己放電をするため、容量が減ったり電池自体の劣化により液漏れの可能性が高くなります。

使用推奨期限は電池本体に小さく記載されているため、特に防災グッズの電池については確認しておくと安心です。使い終わった電池は、自治体の指示に従って捨てるようにしましょう。

《おすすめのまとめ買い電池》

パナソニック エボルタネオ

三菱電機 アルカリ電池