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《カセットコンロとカセットガスは必ず備えておくべき》
カセットコンロとカセットガスは防災的に必須の備えといえます。例えば我が家のマンションはオール電化となっていますが、電気が止まると何もできなくなります。例えオール電化でなくても、大きな災害ではガスを含めてライフラインが停止します。ガスの復旧には長いと1ヶ月以上かかる場合もあり、東日本大震災、阪神淡路大震災でも復旧したのは電気→水→ガスの順番で、ガスが最も遅れて復旧しています。
災害で電気、ガスが停止した場合、カセットコンロがあればお湯を沸かすことができ、停電した冷蔵庫の中身の食材を腐って食べられなくなる前に調理して食料にすることができたり、飲めるか飲めないかぎりぎりの水を煮沸消毒することもできます。
さらに、近年注目されている「アイラップ」など耐熱ラップや耐熱ポリ袋を用いた湯煎調理は、災害時に非常に有用な調理法と注目されており、カセットコンロの重要性がますます注目されています。
高度のストレス下におかれる災害時において、冷たい食事しか食べられないことは想像以上に負担がかかります。暖かいものが食べられるということは、精神的な安らぎを非常にもたらしてくれます。
《カセットガスのメリット》
- 保管が省スペース
- スーパーやコンビニなど何処にでも売っている
- 安全に燃料の備蓄ができる
- 持ち運びがしやすい
カセットガスにはメリットが多いと言えます。特にカセットコンロは普段の食卓で鍋に使用したり、ちょっとした調理に使用することで普段使いできるため、消費しながら備蓄する「ローリングストック法」でカセットガスを備蓄することができます。
簡単・最強の備蓄法「ローリングストック」 〜防災を日常生活に取り入れる心構えとしても〜
また、カセットガスを燃料とするカセットガスストーブを備えておけば、冬の災害においても暖をとることができます。避難生活で暖をとることができ、低体温症のリスクを下げるためにも、合わせて備えておきたいグッズです。
いざとなれば、電気もカセットガスから作ることができます。カセットガス発電機(ホンダ製 エネポなど)があれば、ライフラインが停止していても電気を作ることができます。しかし、稼働するとそれなりの騒音が出るため、特にマンション暮らしで備えるのには向いていません。またエンジンオイルの交換などメンテナンスが必要なこと、ボンベ1本あたりの活動時間が1〜2時間と短いことは覚えておく必要があります。
調理に使え、暖房にも使え、発電もできるカセットガスは、燃料として非常に汎用性が高いと言えます。
《カセットコンロやカセットガスの使用期限》
カセットガスは、ガス漏れを防ぐボンベ内のゴム部品が経年劣化するため、製造日から7年が使用期限とされています。同様にカセットコンロもゴムパッキンの経年劣化のため、製造日から10年で買い替えが推奨されています。
カセットガスの製造年月日は缶底に記載されているため、その年月日に7年を足した時期が使用期限となります。
カセットガスは様々なメーカーから発売されています。カセットコンロにおいては、それぞれ自社のメーカーのボンベを使用するように明記していますが、カセットガス自体はJIS規格で形状が規定されており、実際はどのメーカーのものであっても使用することができます(ただし、自己責任となります)。
《カセットガス備蓄の目安》
ライフライン停止が長期になる可能性を考え、カセットガスは十分量備えておく必要があります。カセットガス1本で、カセットコンロを約60〜90分使用することができます。カセットガスの備蓄の目安は、1人1週間あたり6本と言われています。冬の災害に備えてカセットガスストーブも使用するなら、さらに多めに備えておく必要があります。そのため、1週間分として7本〜10本程度の備蓄をしておくとよいでしょう。
ちなみに備蓄できるガスの最大量は、消防法により規定されています。建物の改築や専用の保管庫を設けることなく、消防機関へ無届けで保管できるガスの最大量は300kg未満です。カセットガス1本あたりのガス容量は250gのため、1,200本未満までは無届けで自宅で保管が可能です(現実的な量ではありませんが…)。
ちなみに我が家では、9月1日「防災の日」を目安とし、1年に1回12本セットを購入しています。毎月1本、年間で12本を目安に消費するようにし、ローリングストックで備蓄しています。こうすることで、7年の使用期限を考慮しても72〜84本程度は常にストックできる計算になります。使いきれないと予想される場合、冬場にカセットガスストーブで使用して電気代を節約する予定としています(ただし、火事や子どもの火傷には注意が必要)。
カセットガスは一般的なもので1本あたり¥100〜¥200程度、カセットコンロは¥3,000〜¥5,000で購入することができます。カセットガスやカセットコンロは災害時にはすぐに売り切れてしまうため、普段から備えておくことが非常に重要です。
《おすすめのカセットコンロ》
カセットコンロを選ぶ基準として、安全装置(圧力感知安全装置)が備わっているもの、連続使用でもカセットガスの気化を維持してくれるヒートパネル付きのもの、非常時の使用を考え燃焼効率のよいものを選ぶようにしましょう。
また、バーナーの仕組みには「外炎式」と「内炎式」があります。「外炎式」は炎がバーナーの外側に広がる仕組みで、多くのカセットコンロは外炎式となっています。一方「内炎式」は炎がバーナーの内側に向かう仕組みであり、外炎式よりも熱が逃げにくく燃焼効率が良い、上位機種にあたります。
おすすめのカセットコンロについてご紹介します。
「イワタニ カセットフー スリム達人Ⅲ」
カセットコンロのど定番とも言える、イワタニの「カセットフー スリム達人」です。我が家でもこの旧型を愛用しています。安全機能、ヒートパネルが採用されており、質感も高く、無駄のない機能美を持ったコンロと言えます。
「イワタニ カセットフー エコプレミアム」
イワタニの内炎式バーナーを採用したモデルです。効率的に燃料を使用できるため、特に災害向きであるといえます。もちろん安全機能、ヒートパネルも搭載されています。
「イワタニ カセットフー タフまる」
風に強い「ダブル風防ユニット」を搭載し、耐荷重20kg、ダッチオーブンもOKというアウトドアでの使用もできるモデルです。アウトドアクッキングをされる方に特におすすめです。もちろん安全機能、ヒートパネルも搭載されています。
「ニチネン マイコンロ グッドシェフ」
有名日本メーカー製で、とにかく1番安いコンロが欲しい!という方におすすめなのがニチネンの「マイコンロ グッドシェフ」です。安全装置とヒートパネルも搭載されており、安くて実用性抜群なコンロと言えます。
カセットガスも忘れずに備えておきましょう
「カセットコンロ ガスがなければ ただの鉄」ですので、カセットガス(ボンベ)も忘れずに備えておきましょう。