本気の防災用ヘルメットを作ってみた 〜やりすぎ?防災シリーズ【工事・作業用ヘルメットにヘッドライトとレスキューゴーグルでフル装備】〜

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防災といえば、防災用ヘルメットが定番です。

実は、「防災用ヘルメット」という特別な規格はなく、国家検定規格に合格していれば一般的な作業用ヘルメットと同じ「保護帽」という規格を満たしています。主に災害時に使用するものなので、普段はコンパクトに保管できる折りたたみ式が便利であり主流となっています。

我が家では家族全員分の折りたたみ式防災ヘルメットをすでに備えていますが、災害時の頭部の保護はより万全にしておきたく、どうしても自分用に本気の折りたたまない防災用ヘルメットを備えておきたくなり、今回ヘルメットを含めたグッズを厳選して仕上げてみました。

【防災用ヘルメットとは】

筆者が以前より備えている折りたたみ式防災用ヘルメット

防災用ヘルメットとは、特に決められた規格があるわけではなく、主に折りたたみ式など災害時に使用するために保管しておくヘルメットです。国家検定の「保護帽(飛来・落下物用)」の規格を満たしているかどうかが、ヘルメット選びのポイントとなります。

防災用ヘルメットについてはこちら ↓

防災用ヘルメットの選び方 〜災害時に頭を守る定番の防災グッズ|耐用年数|子ども用ヘルメットと防災ずきんも紹介〜

【ヘルメットは「ミドリ安全 SC-19PCL RA3 α」を選択】

ミドリ安全の「SC-19PCL RA3 α」

最も重要なヘルメットについては、国家検定に合格している折りたたまないタイプの工事・作業用ヘルメットから探し、メーカーについては日本メーカーで色々と探しました。最終的にミドリ安全「SC-19PCL RA3 α」というポリカーボネート製のヘルメットを選びました。

保護帽の国家検定である、飛来・落下物用墜落時保護用電気用の全ての規格に合格している万能なヘルメットです。

ヘルメット選びの根拠 ①素材

ヘルメットの素材の種類耐熱性耐候性耐電性耐薬品性耐用年数(使用開始から)備考
ABS製
(アクリロニトリルブタジエン・スチレン)
△(70〜100℃)3年以内耐電性に優れるが、高熱環境には不向き
PC製
(ポリカーボネート)
◯(120〜130℃)3年以内耐候性はABSより優れるが、溶剤・薬品等には不向き
FRP製
(繊維強化プラスチック)
◎(150〜180℃)×5年以内耐候性・耐熱性には優れるが、リベット穴から通電するため電気用としては使用できない
PE製
(ポリエチレン)
×(70〜100℃)3年以内有機溶剤系の薬品を使用する環境に最適
ヘルメットの素材と特徴

まず素材選びについては、上記の表のような特徴を考慮し、FRP製ポリカーボネート製かで非常に悩みました。

一般的に防災用ヘルメットの素材には、耐熱性が高く、耐用年数が最も長いFRP製が推奨されることが多いです。しかしFRPは素材の特性上、形成する時にどうしてもリベット穴が必要になり、そこから通電してしまうため電気用としては使用できないという欠点があります。

耐熱性に関しては、FRPが150〜180℃に対し、ポリカーボネートが120〜130℃とそこまで大きな差はありません。ポリカーボネート製は耐薬品性が高くないのが難点ですが、災害現場においては有機溶剤や150℃以上の耐熱性よりは、剥き出しの電線や配線などからの耐電性の方が重要だと判断し、ポリカーボネート製のヘルメットに決定しました。

ヘルメット選びの根拠 ②付加機能

ヘルメットは様々な日本メーカーのものから付加機能を吟味し、最終的にミドリ安全の製品に決定しました。

長時間の着用では頭が蒸れるため、風通しが良く蒸れが少ない製品を選びました。風通しを求めると通気孔付きのヘルメットが優位になりますが、通気孔から電気を通してしまうため、耐電性がなくなる点に注意が必要です。また雨天時、通気孔から雨が侵入する可能性があるため、通気孔なしの製品を選びました。

またクリアバイザー付きで視界が広く、効果的に雨水を逃すレインガード付きといった付加機能も決め手になりました。

【ゴーグルは「山本光学 SS-7000CL」を選択】

山本光学の「SS-7000CL」

災害時は煙や粉塵が舞う可能性があり、目を保護してくれるゴーグルは必須です。

ゴーグルについては、個人的に絶大な信頼を置いている日本メーカー「山本光学(SWANS)」のハイスペックゴーグル「SS-7000CL」を選びました。

一般的な頭部を一周するベルトタイプではなく、ヘルメット側面の縁にアダプターで直接装着するクイックベルトタイプを選びました。ベルト先端部を引くだけで、好みのフィット感で自動ロックでき、ベルトロック解除もワンアクションで可能です。実際に消防やレスキューで使用されている実績もあり、実際につけてみると抜群の装着感です。

レンズは耐衝撃性・撥水性・防汚性に優れ、高性能のくもり止めが採用されています。

マスクをつけていてもゴーグルとの間に隙間が出来にくいフレームのため、防塵対策や感染対策としてマスクをつけたままゴーグルが装着できる点は非常に重要です。またメガネをかけたままでも装着できるため、コンタクトレンズが使いづらい災害時には非常に有効といえます。

グローブをしたままでも操作しやすい開閉式ベンチレーションもあるため、新鮮な空気を取り込むことができ、溜まった汗を排出することが可能です。

【ヘッドライトは「ジェントス(GENTOS) DRF-233D」を選択】

GENTOSの「DRF-233D」

災害時は電気が途絶え、夜間や暗所での活動が予想されます。両手がフリーになるヘッドライトは必須であり、ヘッドライトであればヘルメットに装着することができます。

ヘッドライトは、GENTOS(ジェントス)「DRF-233D」を選びました。

さらにハイスペックのヘッドライトも存在しますが、災害時の電源確保を考え単3電池使用モデルを選びました。また、最大の明るさを優先するのではなく、点灯時間とのバランスを重視しました。

また、後部認識灯が付いており、点灯・点滅により後方からの視認性を確保してくれます。装着したゴーグルにはベルトクリップ機能が付いているため、ヘッドライトのバンドを引っ掛けてずれを防止することができました。

GENTOS 「DRF-233D」のスペック
  • 耐塵・防滴(IP64準拠)&2m落下耐久
  • 明るさ:480ルーメン(Highモード時)/ 230ルーメン(Midモード時)/ 55ルーメン(Ecoモード時)
  • 輝度:3413カンデラ(Highモード時)/ 1836カンデラ(Midモード時)/ 491カンデラ(Ecoモード時)
  • 使用電池:単3形アルカリ電池×3本
  • エネループ・充電式エボルタ使用可能
  • 点灯時間:【ヘッド部】8時間(Highモード)/ 17時間(Midモード)/ 40時間(Ecoモード)、【後部認識灯】100時間(点灯)/ 150時間(点滅)
後部認識灯付きのため、後方に自分の存在を知らせることができる。

【本気の防災用ヘルメットが完成! ヘルメットホルダーも備え付けていつでも被れるように】

完成した本気の防災用ヘルメット

厳選したヘルメット、ヘッドライト、レスキューゴーグルを組み合わせ、理想的な本気の防災用ヘルメットが完成しました。

ちなみに、ヘルメット 3,967円ヘッドライト 3,828円レスキューゴーグル 8,060円(購入当時)であり、合計15,855円超高級防災用ヘルメットとなりました。

ヘルメットホルダーを本棚側面にネジで取り付け、そこに収納しました。

これでいつでも素早くヘルメットを装着して防災行動を取ることができるようになります。また、いつも目につくところに置くことにより、自己満足感が満たされました。

一般的な防災用ヘルメットは、1,500円〜5,000円程度で国家検定合格品を購入できます。本気の防災用ヘルメットは、あくまで防災マニアの自己満足としてご理解ください。

本棚にヘルメットホルダーを固定し、本気の防災用ヘルメットを収納