目次
《踏み抜き防止インソールとは》
踏み抜き防止インソールとは、一見普通にみえる中敷きですが、耐貫通性に優れており、鋭利なクギやガラスが刺さっても貫通しないようにできています。普通のインソールのように靴に入れておくだけで、普段履きの靴を簡易的な安全靴に変えることができます。
『JIS規格(日本産業規格、JIS T8101)の「耐踏み抜き性」の基準を満たしている』と表記がある商品であれば、垂直に立てたクギに1100N(約100kg)の圧力をかけて押し付けても貫通しない性能を有しています。つまり、体重約100kgの人が片足でクギの上に乗っても貫通しない性能ということになります。
ただし、過信は禁物です。例えば鋭利なものの上に飛び降りたり、勢いよく踏みつけたりして瞬間的に強い圧力がかかると貫通する可能性があります。
《外出先での被災に備える》
地震や津波、台風など災害が発生した場合、道には無数のガレキや尖った木材、ガラスなど障害物が散らばっています。鋭利なものを踏むと、普通の靴では容易に踏み抜いてしまい、足に怪我を負う可能性があります。
よほどの動脈損傷でなければ出血は止まりますが、創部から感染を起こす可能性があります。創部の感染が重症化すれば全身に菌が回り、治療が遅れると敗血症という重篤な状態から、最悪死に至る場合があります。また破傷風という、治療開始が遅れると致死的な経過を辿る感染症もあります。
災害発生後の医療機関はパンクし、トリアージにより重症者を優先して治療にあたるため、よほど重症でない限り治療は後回しになります。簡単な怪我は自分で治す必要があり(セルフメディケーション)、先の通り感染症重症化の可能性を考えると、そもそも怪我を予防することが重要といえます。
《踏み抜き防止インソールの種類》
踏み抜き防止インソールには、ポリエステルなど柔軟な①特殊繊維製のものと、②鉄板やステンレスが入ったものと2種類あります。
①特殊繊維性の踏み抜き防止インソール
ポリエステルなど柔軟な素材の特殊繊維を使用したインソールです。柔軟性が高く、屈曲性があるため、歩きやすく、かがんだり爪先立ちしたりもしやすくなっています。
多少硬さはありますが、ハサミで切ってサイズ調節できるため、足や靴の形に合わせて微調節しやすいのもメリットです。汚れたら丸洗いもできます。
私は普段履きの靴には、動きやすさや使いやすさを重視し、この特殊繊維製のインソールを入れています。ちなみにハサミでサイズ調節する場合は、表示されているサイズの目安より少し大きめに切って、徐々に靴に合わせるのがおすすめです。
②ステンレス鋼板入り踏み抜き防止インソール
頑丈な鉄板やステンレス板が芯として入っているインソールです。ステンレス鋼板がスタンダードです。硬い鉄板が入っているため、特殊繊維製より非常に耐貫通性に優れています。デメリットとしては、多少重いこと、クッション性が少ないこと、屈曲性がないことが挙げられます。
足をしっかり保護する必要がある現場作業や、災害時の外出に使用するケースに向いています。
《安価に足下の安全を確保できる》
踏み抜き防止インソールは、1足分 ¥1,000前後で安価に防災対策ができます。普段履きの靴へ入れておくだけで、外出先で被災しても足下の安全を確保できます。普段履きの靴には特殊繊維製のインソールを、災害時などでたまにしか履かない靴にはステンレス鋼板が入ったインソールを入れて備えておくのがおすすめです。